【R18】ちょっとアレな話その⑥後編
Mちゃんは微笑み、ゆがみちゃんのゆがみちゃんに手を添えながらこう言った。
「口開けて……♡」
快感に考える術を奪われたゆがみちゃんは言われるがまま、なんの抵抗もすることなく――それはまるで人も物資もなくした国が白旗をあげるように――口を開けた。
Mちゃんの口からゆがみちゃんの口にあたたかな液体が流し込まれた。そう。Mちゃんの唾液である。
ゆがみちゃんは「垂れる」というよりも「滴る」という表現が似合うほどの唾液を流し込まれた。
無味無臭ではあるが興奮のボルテージだけがせり上がっていくのを感じた。
ボルテージが最高潮になったところでMちゃんは言う。
「ねぇ、へんたいのゆーちゃん。お尻犯してあげるなあ♡」
女性が男性とセックスをするときの「挿入れるね?」と同義ではなかろうか。いや、同義に違いない。
その証拠にゆがみちゃんはこの時完全に女の顔をしていたのである。女の顔をして頷いていたのである。
Mちゃんの指が入ってくるのを感じた。
ぬるりとした感覚がゆがみちゃんの女の子に走る。十分にじらされていたためか、全く痛みや圧迫感を感じなかった。
挿入の悦びに浸っているところにMちゃんの声が降ってくる、
「入口めちゃくちゃ締め付けてくるし中はぐっちゃぐちゃやで??名器やなあ??♡」
じぶんの膣内(?)を褒められる。嬉しいような、恥ずかしいような、そんな…感覚。
「そんなに締め付けてたらあたしすぐイッちゃうよぉ♡」
Mちゃんは腰を使って指をゆがみちゃんに押し込むようにして、緩やかにピストンをする。
これはもはやセックスである。
もはやセックスである。
もはや……。
「ねぇゆーちゃん、おもちゃ挑戦してみよっかあ♡ぴったりのやつ持ってるんよね♡」
セックスである。セックスに浸るゆがみちゃんにそんな提案を持ちかけるMちゃん。
おもちゃ……ローター、バイブ、アナルビーズと数々のおもちゃを試されてきたゆがみちゃんにとってはそこまで驚くことではない。
しかし……
「これゆーちゃんにぴったりやと思うなあ♡」
そう言って取り出したのは今まで挿入れられたどのおもちゃよりも太いバイブのようなものだった。丸みを帯びたやさしいかわいらしいフォルムをしているが、1番太い部分の太さはペットボトルの飲み口くらいはあるだろうか……いや、もう一回り大きいかもしれない。
どちらにせよ「ゆがみちゃんにぴったり」というのは相性的な面だけではなく物理的な面をも指していることは明らかだった。
「けっこう太いけど……どうするー?」
嫌だけれども彼氏からの性的要求に応えなければならないとがんばる女性はこのような気持ちなのだろうか。雰囲気を壊したくないとゆがみちゃんは「がんばる」と、首を縦にふる。
「えらい♡がんばってみようね♡」
そういうとMちゃんはおもちゃの先端をゆがみちゃんの女の子にあてがう。
「いれるねー♡」
甘い声とはうらはらな感覚がゆがみちゃんの女の子を襲う。ゆがみちゃんの女の子がメリメリと悲鳴をあげる。かつてない圧迫感。お尻にギチギチにおもちゃを詰められているのが感覚でわかる。かろうじて痛くはない。痛くはない…が。
「ちょっと動かすのやめて……」
か弱い声が出る。
「大丈夫?痛かったら抜こうか?」
Mちゃんは少し心配そうに声をかける。
「ううん、大丈夫……思ったより圧迫感があってびっくりしただけ……」
この時のゆがみちゃんは女の子より女の子だった。それは間違いない。
「じゃあこっちで気持ちよくなろっかあ♡」
Mちゃんはローションにまみれた手でゆがみちゃんのゆがみちゃんを握る。
圧迫感はそのままに、ゆがみちゃんのゆがみちゃんは「気持ちいい」と声を上げている。
今回、ゆがみちゃんの下半身はやかましいことこの上ない。尻は絶叫、ちんちんは雄叫び。
――やがてゆがみちゃんの女の子は、圧迫感を忘れる。
Mちゃんにはそれを伝えていない。
しかし、さすがプロなのか、Mちゃんはそのタイミングを――圧迫感の消えたタイミングを――見透かし、おもちゃのスイッチを入れた。
おもちゃは水を得た魚のようにピチピチと暴れ、ゆがみちゃんのお腹を内側からとんとんと叩く。とんとんと。何度も何度も。
にゅるにゅるに溶けきった下半身の充足とは相反して、いつものように唇が寂しさを埋めたがる。
「Mちゃん……口寂しい……」
もしゆがみちゃんが女の子だったら。セックスのときだけは新垣結衣と張り合えるかもしれない。それほどの可愛さがあったに違いない。
Mちゃんは柔らかい唇で、しかし乱暴に、舌をねじ込むようにキスをする。
究極までにTPOを弁えたキス。たしかに、ゆがみちゃんがこの時求めていたのはこんな、乱暴な――
「ゆーちゃん、いまゆーちゃんはあたしとセックスしてるんよ?もっと腰振らなきゃあたし満足できないかも♡」
鼻と鼻がゼロ距離の状態でMちゃんはセックスを求めた。そうだ、これはセックス。セックスなのだ。
ペニスを膣に挿入することがセックスだという保健体育の、いや、義務教育の崩壊である。これもまた、セックスなのである。
Mちゃんは手をはやめ、ゆがみちゃんは腰を振る。Mちゃんは短く喘ぎながら、ゆがみちゃんの唇に唇を押し付ける。
Mちゃんの舌がゆがみちゃんの口内で暴れ回る。
Mちゃんの舌はそれだけでは飽き足らずゆがみちゃんの頬をレロレロと舐めまわし始めた。犬のような、獣のような貪りあうセックスだ。すごく……すごい。
語彙とともにゆがみちゃんのゆがみちゃんの我慢の理性がすり減っていき、射精感が押し寄せる。
――10数回にも及ぶ脈動のあと、ゆがみちゃんは我に返る。
Mちゃんを見やると驚いた顔をしたあと笑い始めた。
「なんなんこれwww絶対孕ませちんぽやんwwww」
唐突にMちゃんの口から放たれるパワーワードにゆがみちゃんも思わず吹き出す。
「どういうこと?www」
ゆがみちゃんは訊ねると
「いや、自分が出したもん見てみwwwヤバいからwww」
Mちゃんは爆笑しながら答える。
言われたとおり寝そべっていたところあたりを見渡すと水風船が破裂したかの如く、ゆがみちゃんのゆがみちゃんからでる数億ものゆがみちゃんが飛び散っていた。
量も、飛距離も、我ながらドン引きである。
なにより、Mちゃんのリアクションを見るにえげつない射精だったのだろう。
「うわー、ごめんなさいwww」
素で謝るゆがみちゃん。
Mちゃんは「いやwwwこれ女の子からしたら嬉しいと思うでwww」
真偽は定かではないですがフォローしてくれました。
「逸材やなwww」
との言葉も頂きました。クソ客にはならずにすんでそうです。
さて、ゆがみちゃんのゆがみちゃんからでた数億ものゆがみちゃんとローションを流し終え、Mちゃんとしばし談笑し、帰る用意をします。
「今度遊びに来るときはお尻犯してあげるなあ♡」Mちゃんのお見送りの言葉。
次がいつあるのか、はたまたMちゃんがその時にあたるのかは定かではありませんが、次なる期待をアナルに込められました。
Mちゃんとハグをしたあと、店をあとにし、むかいのファミリーマートの喫煙所で一服します。
数分後、顔を火照らせ恍惚とした笑顔を浮かべながら「すごかった、まじですごかった」とシュプレヒコールのように唱える友人Tと合流します。
こうして一戦終えた男たちは酒飲み街へと消えてゆくのでした。